公共物流ターミナルの整備は、共同化を推進するためのよい契機となると考えられる。
輸送の共同化を導入したときの効果について、配車配送計画モデルを用いて検討した例を示す。
共同化の方式としてはさまざまなものがあるが、ここでは二つの輸送事業者が自分のデポに近い地域内で、他社の貨物も配送する交換配送方式を考えてみる。
仮想道路ネットワーク12に輸送事業者10社(A〜J)が、各社1か所のデホから複数の顧客に貨物を配送する場合を考える。
10社のうちの輸送事業者DとHの2社が共同化を実施すると仮定し、それぞれが配送を担当する区域ができるだけ重ならないように、顧客の再割り当てを行った。
このようにすることによって、輸送事業者DとHが配送する貨物の輸送距離が減少することになる。
と、共同化に参加した輸送事業者D、Hの総費用は、19.4%の減少となっており、かなりの効果がみられる。
輸送距離の減少によってもたらされたものと考えられる。
また共同化に参加していない輸送事業者においても6.1%の費用削減効果があった。
ても、共|司化の効果が現れており、此同化に参加した輸送事業者D、Hでは、33%もの削減効果があった。
この場合には、他の輸送事業者とともに、乗用車の総走行時間も若干減少しており炉全休で4.7%の削減効果がみられた。
このように、共同化によるメリットは、輸送事業者にとってもかなり大きいものであるとともに、社会全体にとっても、総走行時間の減少によって渋滞の緩和や環境改善効果が見込めることが理解できる。
物流の共同化にはさまざまな形態が考えられるが、「特定地域内の」「業種を限らない」すべての荷主への「共同配送・一括集荷」を行う特定地域内一元共同集配は、台キロベースの交通量の削減という点で期待できる方式である。
しかしながら、現在わが国で稼動中のシステムは少ない。
ここでは導入成功事例のひとつである福岡天神地区の共同集配事業を取り上げ、同事業の仕組み、効果、抱える問題点を検討する。
福岡天神地区(37ha)は、総事業所数2200、卸小売販売額2兆円を誇る九州一の中心業務地区である。
同地区には古いビルも多く、路外の貨物車用の荷さばきスペースは限られている。
その結果、各社が路上に違法駐車し、歩道を台車で横持ちする非効率な集配を行っていたため、駐車スペースを探す余分な迷走交通が交通混雑に拍車をかけていた。
そこで1978年(昭和53年)九州運輸局がリーダーシップをとり、トラック会社29社の参加により同地区内のすべての荷主を対象として共同集配事業が導入され、その後1994年(平成6年)に36社による天神共同配送株式会社が拡充改組され、現在に至っている。
天神地区への配送貨物は各社が天神共同配送(株)のターミナルに持ち込む。
その後、ビルごとに仕分けされ一括して各ビルのそれぞれの荷主へ配送されることになる。
各社は50kgまでの貨物に対し1個あたり160円の端末配送料を支払う。
集荷はこの逆の流れになる。
天神共同配送(株)の取り扱い個数は配送が月9万個、集荷が1万個程度となっている。
配送貨物が多いのは、この地区全体として着貨物が発貨物より多いことのほか、各社とも営業上うまみのある発貨物の獲得のため、集荷は天神共同配送(株)に依頼せず独自に行う場合も多いからである。
響を整理した。
物流事業者は事業の導入により各社を合計したトラック台数が削減され、積載率の向上が図れたといえる。
試算では台キロベースで60%の交通が削減されている。
荷主においては1日の決まった時間に配送・集荷となるため、即時性の欠如を不満に思う荷主も存在している。
道路利用者は貨物車交通量、違法駐車の削減により、交通混雑の緩和のメリットがあり、社会も交通公害の緩和のメリットを享受できる。
共|司集配事業は、同地区発着貨物の半分以下しか取り扱っていない。
デパートが独自に集配送の仕組みをもっているほか、航空便、クール便が除かれている。
さらに、ように発貨物を確保したトラック事業者に運賃収入の多くが配分される仕組みを前提とすれば、集荷貨物を取り込むのは今後とも困難と思われる。
大口の輸送事業者に対し割引がないのも取り扱い個数が増えない原因であったが、1994年(平成6年)以降順次割引制度が導入され、大口の事業者も以前よりは協力するようになってきている。
共同集配事業によりトラックの台数は減ったが、その分だけ乗用車が正規の路上パーキングを占め、また違法に路上駐車を行うため、天神共同配送(株)のトラックが以前より駐車しやすくなっているわけではない。
天神地区には貨物車優先路上パーキング施設もあるが、天神共同配送(株)が特権的に利用できるようにはなっていない。
共同集配事業に公共的意義づけをどこまで付与できるか、課題として残っている。
年(平成元年)から行っている。
これについて、あるデパートを対象としてヒアリングとアンケート調査を実施した。
ヒアリングでは、共同配送の効果として、運転手の労働条件が大きく向上した。
配送回数の増加により、サービスの向上が図れた。
配送時間の安定および短縮が図れた。
の3点が現場の配送所から挙げられている。
特にお中元やお歳暮の時期の繁忙期の残業が大幅に減って、運転手の定着率が上がったことが高く評価されている。
また、アンケート調査によれば、共同配送による効果は、共同配送は、デパート間で話し合いがついた地域から順次行っているが、配送を担当している事業所からは共同配送推進の要望が強く、今後さらに拡大する傾向にある。
また、このケースでは、従来の配送センターあるいはデボを利用して共同配送を行っているが、将来は共同配送センターあるいはデボを建設したい意向をもっている。
ドイツのカッセル市においては、都心部における配送を行っている。
カッセル市は、人口約20万人の都市であり、都心部は、古い町並みを残した商業地区となっている。
商業地区の小売店やデパートに貨物を配送するに際して、トラックの積救率の低下、荷さばき場の不足、公共交通との交鉛などの問題が発生していた。
これらの問題を解決するために、関係者によるラウンドテーブル会『羨が舶繁に開催され、協議を行った。
このラウンドテーブル会談には、市役所、輸送事業者−、小売店の代衣およびカッセル大学の教授が参加している。
その結果、共同配送システムを導入することになり、カッセル市の都心部に貨物を配送している12の輸送事業者のうち10社が参加して、1994年(平成6年)から実施している。
なお1998年(平成10年)9月現在では、参加輸送事業者は、5社に減少している。
カッセル市の共同配送は、都心に貨物を配送していなかった中立の輸送事業者が、10社の配送センターを巡回して貨物を自社の配送センターに集め、それをまとめて都心部の約350の小売店に配送するシステムである。
この中立の輸送事業者は、以前は、主として都市間の輸送を行っていた業者である。
共同配送には、4台の小型トラックを用いて、1日約80〜130個の貨物を配送している。
K6hlerによれば、共同配送の実施によって都心部へ向かうトラックの輸送距離は、40%減少し、都心部の内部における輸送距離は、60%減少し、トラックの積載率は、重量ベースで25%から60%に上昇した。
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